
かんぱち養殖の未来
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2018年、南さつま種苗センターを開設。完全養殖に向けて、かんぱち養殖事業は新たなステージへ。
最大水深約200m。雄大な桜島の麓にある養殖場
スズキ目-アジ科-ブリ属に分類されるかんぱちは、暖かな海域に多く生息する海水魚。正面から見たとき、目の上の斜めの帯が「八」の字に見えることからその名が付けられました。
サステナビリティの観点から、持続可能な漁業や養殖に力を注ぐマルハニチロでは、クロマグロ(本まぐろ)、ぶりに続きかんぱちの養殖にも、取り組んできました。現在では、グループ会社である鹿児島県の桜島養魚・奄美養魚(本店・篠川支店)で年間約4,100tのかんぱちが生産・出荷されています。
中国海南島で買い付け、船で養殖場に運ばれる稚魚
かんぱちの養殖は、これまで中国海南島沖などで採捕された稚魚を、マルハニチロのスタッフが現地で買い付け、養殖場で成魚に育てるという形で行われてきました。餌の選り好みも激しいかんぱちを稚魚から成魚に育てるには、ぶりなどの養殖で培ったノウハウだけでは解決できない数々の壁がありました。その一つひとつを地道な研究と現場での検証で解決することによって、品質の高いかんぱちを安定的に市場に届ける体制を確立しました。
人工種苗生産の拠点「南さつま種苗センター」を開設
こうしたマルハニチロのかんぱち養殖の歴史に、2018年エポックが訪れました。2018年3月、グループ会社が鹿児島県南さつま市内に「南さつま種苗センター」を新設。人工孵化による種苗(稚魚)生産を担う種苗センターが始動することによって、天然の種苗に頼らない完全養殖への扉が大きく開かれました。
鹿児島で育ったかんぱちが「機能性表示食品」に認定
(機能性表示食品 届出番号:C314)
2018年1月、マルハニチロの養殖かんぱち製品が、厳しい審査を経て生鮮食品区分の水産品としては日本初、となる「機能性表示食品」としての届出を受理されました。これによって、「本品にはDHA・EPAが含まれているので、一日当たり100gを目安にお召し上がりください。DHA・EPAには中性脂肪を低下させる機能があることが報告されています。」という文言を商品に表示することが可能になりました。
美味しくて、人の体に有益で、しかも地球環境にもやさしい。そんな魅力に溢れたかんぱちをより多くの方々にお届けできるように、養殖事業に関わるスタッフの努力は今日も続けられています。
※機能性表示食品とは:
事業者の責任において、科学的根拠に基づいた機能性を表示した食品であり、販売前に安全性および機能性の根拠に関する情報などを消費者庁長官に届け出られているものです。ただし、特定保健用食品とは異なり、消費者庁長官の個別の許可を受けたものではありません。(消費者庁HPより)
2018年11月1日配信
さっぱりとした脂の中にある旨みと甘みを ストレートに感じていただくには、 塩とレモン果汁で召し上がって いただくのが一番。薄切りにしてさっと 湯にくぐらせるしゃぶしゃぶもおすすめです。