MSC「海のエコラベル」とは

MSC「海のエコラベル」とは

いつまでも「おいしい魚」を食べ続けるために、世界中で広がる持続可能な漁業と水産物管理への取り組み。


写真提供:MSC


漁業を取り巻く環境は、近年大きく変化しています。世界人口の増加や所得水準の変化、世界で和食がブームとなっていることからも想像できる嗜好の変化、そして健康志向の高まり。それらの要因によって、水産物の需要は確実に拡大しています。

こうした旺盛な需要に応えながら、いつまでも「おいしい魚」を食べ続けるには、「完全養殖本まぐろ」の記事でもご紹介したように、養殖の技術を磨くことも1つの方策。けれどもそれだけでは十分ではありません。過剰な漁獲を行わず、生態系の構造・多様性・生産力などに配慮した「持続可能な漁業」が、今こそ求められているのです。

MSC「海のエコラベル」とは、持続可能な漁業により漁獲された水産物を証明するラベルです。商品に「海のエコラベル」を付けるには、まず、漁業者がMSC漁業認証を受け、さらに水産物の加工・流通の過程でもCoC認証の取得が求められます。漁業から加工、流通、小売まで、持続可能という目的に向けての一貫管理が行われた商品だけに、MSC「海のエコラベル」を付けることが許されているのです。


写真提供:MSC


エコラベルを運営・管理している、MSC(Marine Stewardship Council/和文名:海洋管理協議会)はイギリス・ロンドンに本部がある国際NPO法人で、1997年に設立されました。日本ではまだMSC「海のエコラベル」はあまり知られていませんが、世界ではすでに約100カ国・3万点のMSCエコラベル製品がスーパーマーケットやレストランで販売されています。また、マクドナルド(ヨーロッパ40カ国とアメリカ・カナダ・ブラジルの店舗)では、フィレオフィッシュにもこのエコラベル付き白身魚が使われています。

 


出典:MSC


日本で初めて、MSCのエコラベル製品が販売されたのは2006年。同じ年、マルハニチロはいち早く、持続可能な水産物への取り組みをスタートさせました。世界と比較すると、日本はエコラベルの認証取得も認知度でも、大きな遅れをとっています。そうした現状に変化をもたらすために、マルハニチロは、海外現地法人とのネットワークを基にワールドワイドな活動を続けています。

2018年10月配信

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